目次
はじめに
本書は、坂本州子氏が書かれた本です。
著者のことは知らないのですが、30年間子育て中の母親の悩みを解決してきた子育てエキスパートと書かれています。
言葉は人間だけがもつ、コミュニケーション技法です。
ほかの動物でも、コミュニケーションはとれますが、ここまで詳細なコミュニケーションをとることができるのは、人間だけです。
だからこそ、言葉により悲しんだり・喜んだり・感動したり・怒ったりという、喜怒哀楽を表出することに繋がります
そんな言葉の重要性を書かれたのが本書です。
いつものごとく、Kindle unlimitedという、月々約1000円の特定の電子書籍読み放題で読みました。
言葉による虐待
親は知らず知らずのうちに、子どもの成長を阻害するような、言葉かけになっている可能性があります。
ときに、子どもが親のマネをして、兄弟同士を注意しあっているときも、親のマネをしているということはわかります。
子どもは親の鏡と言いますが、親がその様な言葉遣いをすることで、子どもも真似をします。

虐待の連鎖
身体的虐待も連鎖するといわれています。
つまり、暴力を受けて育った子どもは、身体的暴力が当たり前の環境で育つことになります。
虐待をみると、辛くなるのが普通の反応です。
しかし、小さな頃から虐待が当然の場合は、何も感じなくなるようです。
様々な虐待を見続けた事で、脳の前頭葉が萎縮するなど、脳が反応しているとされています。

小さな頃の味覚も憶えている
マクドナルドの味を大人になっても憶えているように、身体的虐待も然りで子どもが大きくなった際に連鎖する可能性を秘めています。
海外での食生活に馴染めないのは、小さな頃の食生活の記憶による影響とされています。

NGワード
絶対に言ってはいけない言葉として、「お前なんか生むんじゃなかった」などの言葉は、冗談でも言ってはいけないと、どんな本を読んでも書かれています。
言っている方は冗談でも、子どもにとっては絶対的な味方であるはずの親に、見放されたと思ってしまうそうです。
一度発した言葉は、政治家のように撤回はできません。
謝罪しても、子供の心の奥底には深く残ります。
また、ママ友同士で「うちの子はできないのよね」などという、日本人らしい謙遜した会話も子どもの成長を阻害するとされています。
自分の子どもは、常識の範囲内で自慢するくらいの気持ちがあっても良さそうです。

記憶に残る言葉
親に言われた辛い一言を憶えている方もいると思います。
逆に、嬉しい一言を憶えている人もいると思います。
どうせなら、嬉しい一言をいわれたいのは、人として当然あるべき姿です。
褒めて伸ばすには、賛否あると思いますが、ほめるというよりは承認してあげる親の行動により、子供の将来は決まるのかもしれません。

魔法の言葉よりも承認
魔法のコトバというものは、多分なくて承認の積み重ねが結果的に魔法に繋がっているだけなのかもしれません。
蛙の子は蛙とはよくいいますが、親の関わり次第では、トンビがタカを生むかもしれません。
ゲームやテレビからは学びは乏しい
これもよくいわれる事ですが、いくら英語番組を流し続けても、喋れるようにはなりません。
つまり、活きた英語では無いからです。
活きた英語とは、親の話す言葉の事です。
だからこそ、親の語彙力や会話が少ないと、それだけでディスアドバンテージといえます。

言葉はその場で訂正
子どもが乱暴な言葉づかいをしたときは、その場で正しい言葉の使い方を教えます。
友達の影響もあるでしょうが、特に小さな子どもの場合は、親が使っている言葉を真似して乱暴な言葉づかいになっている可能性があります。
子どもが、乱暴な言葉遣いをしている場合は、親自らの内省を行い、変な言葉遣いになっていないか、確認した方がよいと思います。

言葉遣いは、どこかで修正しないと乱暴な言葉を使い続けることになる
友達も使っているからいいや、と放置していると、修正が効かなくなります。
また、乱暴な言葉遣いは語彙力低下にも繋がります。
大人が気づいたら、その場で訂正してあげましょう。
来客が多いと、社交的になる
これもよくいわれる事です。
小さな事から、いろんな人、特に年上の人たちと関わることで、社交性が身につくとされています。
自宅には、友達をたくさん呼ぶとよいですし、大人も交えたホームパーティーなども積極的に行うと良いです。
最近は、新型コロナウイルス感染症により、パーティも難しくなっていますが。。

言葉の臨界期として、5歳になれば子供の脳は大人の9割程完成する
小さな頃、5歳までにといっても、仕事しながらの子育てでは難しいと思います。
とにかく、親のペースは乱されますし、ついつい「早くして」とか「いい加減にして」とか言いがちです。
そんな時は、平静の心をもち動じずに待つ、待って承認することが必要になります。
待てない場合は、活動をその分早めにするなどで、対応するのも良さそうです。
例えば、15分早く起きれば、心にゆとりを持てます。
世の中の親には、そんなゆとりを以下に作り出すか、いろいろ話し合って戦略的に子育てすることも必要です。
だめな人間だと言い続ければ、その子どもはダメになる
言葉の面白いところで、のんびり屋とかせっかちとか何でも良いと思いますが、そうやって言い続けると、そのように育つようです。
とはいえ、偉いねとかばかり言い続けても、大人になってからはそんなに褒めてくれる人はいません。
そのため、できたという承認をしてあげることが必要になります。
本を読んだら、こんなに読んだんだとか、結果ではなく成果を褒めることが重要とされています。
子供のモチベーションをあげるには、急かさずに関心を示す
とにかく子どもに関心を向けることが大事です。
関心が向けられると、子どもは良くしようと張り切ります。
張り切った結果、ほめられると嬉しいので更に頑張ります。
このサイクルが、良質なサイクルです。
さかなを与えるのではなく、魚の釣り方を教えるという事にも繋がります。

子供の成績の比較
順位が上がるのか、点数があがるのか、成果を褒めるのか。
順位を比較しても、所詮上には上がいます。
学年で1位になったとしても、その学年で1位なので、もちろん成績が良いことはいいことですが、あまり狭いコミュニティで競い合っても疑問です。
順位よりは、点数を褒めた方が、相対的な値ではないので、良いかもしれません。
最もよいとされているのが、成果を褒めることのようです。
試験の結果よりも、試験にどのように向き合ってきたのか。
例えば、読書を行ったその行為を褒めてあげるということです。
これは、子どもときちんと向き合わなければできることではありません。
