結論
- SEOはグーグルにコミットすること
- グーグルにコミットできれば、検索者・ユーザー・広告者それぞれにとって利点
- インターネットは、縦スクロールが主流なので、文章の書き方は行間を意識する
- 情報は発信し続ける
はじめに
この本は、Kindleで安売りをしていたので購入しました。
漫画ではないのですが、物語風ですので非常に読みやすいと思います。
わたしの基礎知識がないので、何度か読まなければわからない部分も多いのですが、気になったものをいくつかメモしてみました。
情報の発信
情報の発信は、情報を求めている人にコミットする必要があります。
情報を求めている人とはどんな人かと言うと、多くは非専門家です。
時には、専門家が難しい内容を検索することもあるでしょうが、SEOを意識した、という観点から多くは、何も知らない人を対象と捉えるべきとされています。
例えば、SEOと書きましたがSEOがわからない人には、この時点で離脱してしまう可能性が高くなります。
ちなみにSEOとは、Search engine optimizationのことで、検索エンジンの最適化のことです。
検索エンジンの最適化と言われてもわからないと思います。
極論すると「知りたい情報は何か?」ということになります。
知りたい情報にコミットすることができれば、Googleでの検索順位の上位になることができます。
検索エンジンの上位になるということは、SEOを意識した文章ということになるのだと思います。
結局わたしもSEOを理解しているわけではありませんが、せっかく書いた文章を多くの人に見てもらうためには、SEOを意識するということが重要ということです。
EATとYMYC
EATとは、専門性・権威性・信頼性のことです。
Googleはこれらの、EATにより検索順位の上位にHitするようにプログラミングされているようです。
専門性とは、例えばブログにおいて専門的な内容(例えば統一性のある内容)ということが挙げられます。
権威性とは、誰が書いたのかというところでしょうか。
例えば、医師や弁護士が書いたといわれるだけで、権威性向上に寄与するのではないでしょうか。
信頼性は、エビデンスの事です。
その情報のソースはどこから来ているのか、ということが分かれば、情報の正確性が吟味できます。
YMYCとは、Your Money or Your Lifeの事です。
お金や健康問題は、生活において極めて重要です。
つまり、正確な情報が必要であり、嘘の情報を世間に流布させるような場合はGoogleは否定的な態度を取るということです。
もちろん、それらの情報を信頼するか、信頼しないかはユーザー次第ですが、そもそも嘘の情報ばかりが溢れているようでは、世の中の統制が取れなくなってしまいます。
YMYC
YMYCに関しては、医療の場合も大きな問題が生じています。
例えば「がんは放置せよ」「ワクチン不要論」「コロナは風邪」などといった、真面目に医療を行っている医療従事者からすれば、混乱を極める情報が多く野放しにされています。
何が問題かと言うと、これらの嘘の情報が検索上位にHitすることで、その情報を信用してしまい最終的には手遅れになってしまうということです。
がんの治療に関しては、自分と家族の問題で済むかもしれませんが、コロナウイルスのような感染症の場合は、他人に感染させ他人を間接的に不幸にしてしまうことになりかねません。
我々医療従事者は、抗菌薬が効きづらい細菌を伝播する立場にあります。
当然予防を行いますが、100%予防出来ていないのが現状です。
つまり、誰がやったのかはわかりませんが、間接的に人を不幸にしている認識を持ちなさいと教わっています。
医療を行う上でこれらの、嘘情報が蔓延しているというのは、大きなディスアドバンテージと言えるでしょう。
一方で、正確な情報を提示している場合でも、同じくYMYCに引っかかってしまい検索上位にHitしなくなります。
医療系やお金の問題は、Google検索上では、圧倒的に不利と言われています。
正しい情報と正しくない情報を、現段階ではGoogleは識別出来ません。
一方医療の専門家同士でも、真逆の意見でディスカッションすることは多くありますので、何が正しいとえるのか、という命題は極めて難題です。
現時点では正しい情報であったとしても、数年後には覆されるということは、日常茶飯事です。
ただし繰り返しますが、がんの放置・ワクチン不要論・コロナは風邪という認識は、明確に根拠を欠いており、明らかに間違っている情報である、と現段階では認識せざるを得ないでしょう。
強みを理解する
USP(unique seiling proposition)と言うものがあります。
これは、独自の強みとされています。
ピーター・ドラッカー氏も著書によく書かれていますが「強みを伸ばせ」という観点からは類似した概念だと思います。
そのためには、自分のページの強みとは何なのかをまずは認識する事が重要になります。
日本人は弱みに漬け込み、弱みを伸ばそうとする文化あがありますが、個人的には軍隊のようであまり好きではありません。
ある程度の統制も必要ですが、強みという個性こそがいろいろなメリットに繋がるはずです。
会社の場合は、ある程度の弱み分析も必要ですが、インターネット上での活動の場合は自分の強みだけにフォーカスすれば良いでしょう。
最大限に強みにコミットすることで、仲間にも巡り会えると思います。
直感的思考と分析的思考
本書では、ノーベル賞受賞者のダニエル・カーネマン氏のシステム論を紹介されています。
システム1は、直感的思考。
システム2は、分析的思考。
このシステム1とシステム2の概念は、医療現場での診断学でも積極的に使用されています。
システム1は、直感的に診断する場合で、多くの経験が必要とされています。
一方システム2は、いくつかの病気から、特定の病気の可能性の上げ下げを行ったり、難しい病気である可能性を吟味したりする、診断学の基本的概念を踏襲しているとも言えます。
例えば、システム1で風邪を診断する場合は、咳・鼻汁・咽頭痛・周囲の流行などの直感で診断されます。
システム2の場合は、風邪の症状が出揃っていますが、他に類似した疾患である細菌性咽頭炎や副鼻腔炎などの可能性を下げるための病歴を聴取して、必要があれば検査を追加します。
その結果、最終的に風邪という診断にたどり着きます。
つまり、システム2は率直に疲れます。
診断という観点からは、非常に興味深く面白いのですが、疲れます。
そのため、インターネット上の情報にたどり着くためには、システム1の方が直感で読めますので、システム1にまずは注力することが必要とえいます。
システム1で目を止めて貰えれば、その後は専門的な内容として論理を展開するシステム2という形でも良さそうです。
まずは、目に止めてもらう事が必要になりますので、直感に訴え、その根拠をシステム2で展開すればよいのではないでしょうか。
比較する
インターネット上では、様々な比較が行われています。
例えば、自社で行う場合は他社との比較は行われていません。
多くの場合、何らかのデータを提示されている場合でも、自社比較と書かれています。
これは、業界のルールによりその様になっているようです。
一方、第三者が行っているインターネット上の情報では、様々な比較が行われています。
例えば、洗濯用洗剤を選ぼうとしたときに何を最も重視するでしょうか。
屋外でのクラブ活動では砂汚れがおおいので、汚れ落ちがメインになるでしょう。
一方、それほど汚れが気にならない場合は、仕上がりや香りなども選択肢になるはずです。
第三者が行うこれらの比較は、あくまでも個人の意見ということにはなりますが、きちんと分析されたデータであれば、それなりに信頼性を担保することになります。
医学的データの場合
信頼性を得るには、比較でしか物事は成立しません。
医学の場合は、常に何かと何かを比較することで、治療などの有効性が提示されます。
ところが製薬会社の場合は、企業ですので他の企業との比較をほとんど行いません。
他との比較が出来ない場合は、例えば薬の場合、その薬の信頼性を担保する情報に足り得ない、ということになります。
臨床現場での医療従事者は、常にエビデンスレベルを重視します。
最も有名なものが、ランダム化比較試験になります。
これは、例えば特定の薬と薬を比較した結果、どうなりましたというものです。
先に上げた洗濯用洗剤の場合だと、アウトカムを汚れ落ちと設定した場合、●の洗剤と○の洗剤を比較した結果、汚れ落ちの程度は○の方が有意に多かった、といった感じです。
小規模ですが、データの1つにはなりますので、比較データはとても有益なデータということになります。
ただし繰り返しますが、1つの意見に過ぎませんので、過度な信頼は禁物ですが。
基礎的内容を重視する
インターネット上で検索し、情報を希求している人の多くは、非専門家です。
つまり、非専門家が欲しい情報にコミットする事が重要になるということは、先に書きました。
医学的な病状説明でも、小学生にでもわかるように、とはよく言われることです。
例えば、SEOといきなり出てきた場合、その単語を知っていればよいのですが、知らない場合はその後の説明が全く頭に入ってこなくなる可能性が高くなります。
インターネットでは、特定のページを離れることになりますし、テレビの場合だとチャンネルを変更される可能性が高くなります。
特に専門家にとっては、あまりにも簡単すぎる内容、と思うくらいがちょうど良い場合もあります。
もしくは、あまりにも簡単すぎる内容ですら、難しく感じる可能性すらあります。
情報とは、自分が知りたい情報をそのまま書けばよいというのは1つの意見です。
しかし、検索してある特定のページにたどり着いた場合であれば、知りたい情報であればその内容を熟読することに繋がります。
先に書いた洗濯用洗剤の場合は、汚れ落ちと色落ちを気にしている人であれば、「その」情報が知りたいわけです。
その結果を、記事に記載していれば有用な情報になります。
まとめ
- Googleの検索システムは、ある程度理解しておいたほうがよい
- 金融や健康問題を取り上げる場合は、不利
- 情報を知りたい人の多くは、非専門家
- 知りたい情報とは何か、を意識する