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電子カルテ
病院では様々な電子デバイスがあります。
最も頻用しているのが、カルテ(診療録)です。
通称、電子カルテです。
電子カルテ以外にも、小さな端末なども利用されています。
電子デバイスの利点は、電子カルテさえあれば、院内のどこからでも患者情報を閲覧出来ることです。
救急に来た患者さんを、病棟からみたり、手術に出棟した患者さんを、病棟から手術の状況をみたり、といった具合です。
研究への利用
他には、後方視的研究で行われるように、あとから見直すのもとても簡単です。
点滴や尿量などの計算も、入力さえ間違わなければ、計算は正確に行ってくれますし、とても便利です。
閲覧性
なにより、人の手で書かれたものではないので、見やすいというのも、大きなアドバンテージと言えます。
(電子)カルテの欠点
欠点としては、カルテに書かれないと何もわからないということです。
最も、これは紙カルテでも同じです。
といった具合に、他にも電子カルテの利点は沢山あります。
書類のスペース削減や、写真の取り込みなどとてもわかり易いです。
最近はこの電子カルテを施設間や県、さらには国全体で共有出来るようになることが目標であるといえます。
そうなれば、過去の情報は全てわかります。
ただし、きちんと診療録を記載した前提での話ではありますが。
ところがこのような便利な機能であるはずの電子デバイスを使うのが、医療系の方はとても苦手なのか、あまり上手ではありません。
先進的病院
一部の先進的な病院では、iPhoneを勤務者が持っていたり、画像を院外にいる医師ともスマホ上で共有したりする事も行われています。
電子カルテでも紙が増える
電子カルテの登場により、紙は大幅に減ると予測されていました。
けれども、逆に紙の量が増えたという報告もあります。
人の頭が電子デバイスについていけない
これは、どこの病院でも抱えていることかもしれませんが、人の頭が電子デバイスに追いつかないことで、対応出来ないために起こっている減少です。
医療の世界では、医療ミスを極限まで減らすことが急務ですが、実情は航空業界の様に、十全な対策が行われているわけではありません。
その結果、薬や点滴を確認するために、点滴1枚につき紙1枚といった具合に紙が出てきます。
さらには、指示簿と呼ばれるものがあります。
指示簿には、例えば血圧180以上Dr.callのようなものが書かれます。
この指示簿すら、毎回紙に出して確認することを余儀なくされています。
いったいだれがこんな事を始めたのかといえば、看護師です。
看護師は、電子デバイスについてこれず、ミスが増えたので、紙を毎回出していちいち確認しましょう、といった古典的な対策しかできないのが現状です。
スマートフォンの利用
さらに、看護師は勤務中スマートフォンを持ちません。
何故なのかは知りませんが、禁止されている病院もあるようです。
そもそも、現代ではスマートフォンがなければ、診療は困難といえる状況まで来ていると思います。
逆説的ですが、それだけ多くの看護師は何も考えずに働いているという、証左なのかもしれません。
スマホを用いたスコアリング
例えば、医療業界では、様々なスコアリングがあります。
例えば、肺炎ですと、PSIやCURB-65スコアと呼ばれるものです。
CURB程度ですと、憶えられますがこのスコアリングが増えるほどに、憶えるのは困難になります。
さらに、腎機能の計算であるCockroftと呼ばれる計算を行う必要がありますが、わたしはアプリを使わなければ計算式は憶えていません。
スマホを用いた調べ物
さらに、多くの患者さんは薬を飲んでいます。
その薬がどのような薬であるのかも、スマホで調べればすぐに分かります。
スマホでスマートに持ち運ぶ
スマホには、テキストや論文は山のように入ります。
片手で持てる数百グラムの中に、こんなにも入ります。
さらに、インターネットを活用することで、その検索範囲は膨大なものとなり、より適正な医療の提供に寄与します。
なぜ、医療業界で看護師がスマホを使用しないのかは、七不思議の1つと言えるでしょう。
スマホでリマインド
さらに、看護師は時間で行う仕事が決まっています。
例えば、点滴や採血などです。
そのリマインドとしてもスマホは使えますので、勤務中のスケジュール管理としても使用可能です。
スマホでその場でシェア
医師は、文献のやり取りはスマホを用いて、今話しあった根拠となる論文を即座にシェアしています。
元となる論文に目を通すことは、とても重要な事ですので、このスピィーディーさになれてしまうと、紙のテキストには戻れないと思います。
看護の成長と電子デバイス
看護師のわたしが言うのもなんですが、看護師がこんな事ばかりやっているから、看護の世界は成長しないのだと思います。
ミスをしないために、紙を使うという古典的な発想から、早く異なる発想の転換を行うべきです。
紙に出した時点で、その情報は古いものとなります。
最新版は、電子カルテの中に入っています。
そんな看護師でも使えるようにするには、iPadのような紙のようにつかえるデバイスが必要なのかもしれません。
看護師の養成過程では、電子デバイスの使い方の勉強はあまり行わないと思いますし、実習でも実際重要視されていません。
しかし、これからは電子デバイスを文字通り使い倒さなければ、医療を行っていく事は困難です。
AIと医療と電子デバイス
昨今話題のAIに使われる人材になってしまいます。
AIの特徴を利用しつつ、強みはAIに任せ、その弱みを補完するために人がいます。
人がAIを使うということは、人が相手である看護師という職業においても同じです。
病院がどの病院も横並びにみえるのは、どの病院も先進的な一歩を踏み出せないからです。
突然今までの紙を辞めるとなると、看護師さんは大パニックです。
ですので、パニックを起こさないように戦略的に気づかないように少しづつ変えていく必要があります。
すこしづつ少しづつ変えていくことで、現在若手の看護師達の未来は切り開くことが可能です。
年配の看護師さんは、現代のやり方を変えることが出来ませんが、これから先を見据えた人財である看護師は、どこかで変革を起こさなければなりません。
それは、必然です。
意図的で戦略的な介入が必要なのです。