結論
- きちんと休む
- 睡眠は重要
- 腸は、第2の脳であり体の中心
この本の著者
御川安仁先生という、医師が書いた本です。
医師が書いたというだけで、一般の方には信頼性の高い書籍というイメージがあるかもしれません。
医師といっても、千差万別です。
根拠に基づく医療を行う医師から、全く根拠に基づかない医師まで様々です。
例えば、ワクチン不要論など謳った本が間違いであることは、現代の科学を持ってして覆すことのできない事実です。
けれども、そんな気にさせるプレゼンテーション能力に惹かれるという事も否定はしません。
この本の著者は、救急集中治療医でしたが、慢性疲労により現在は開業をされている先生です。
一見、救急集中治療とは関係の無い内容になっているような気がしますが、内容を信じるか信じないかは、あくまでも読者です。
個人的なスタンスとしては、日常で実践活用かつ有用性がありそうなものは活用し、それ以外のものは実践しないというスタンスで良いのだと思います。
慢性疲労の原因
まずは、適切な食事と睡眠であることは多くの方が共感できるものです。
若い頃は、睡眠時間を削って遊んだり、時には勉強したりということを行っていたのでは無いでしょうか。
そもそも、睡眠時間は人により異なるとも言えます。
わたし自身も、若い頃は睡眠時間は4時間ほどでも割と平気でした。
ところが最近は、疲れが溜まってしまい休日も寝て過ごす事が増えてきました。
休日以外でも、日中から眠気に襲われるため、仕事に集中できないということもあったような気がします。
そのため、最近は睡眠を大事にしています。
いろんな書籍に、睡眠の重要性が書かれています。
古代では、睡眠中は最も危険だったはずです。
しかし、現代では安心して寝ても良いのです。
だからこそ、きちんと寝ることがまず、今すぐにできる慢性疲労への対策です。
そもそも、8時間睡眠と仮定し人生の3分の1は寝ていることになります。
つまり、睡眠にはお金をかけなさいということになります。
ソファーや床で練るよりも、きちんとしたそれなりのマットレスで寝たほうが、多分体には良いはずですし、良質な睡眠を得られる可能性は上がるのではないでしょうか。
食事の重要性
食事もまた、睡眠と同じく重要です。
人の体を作っているのは、当然ですが食事です。
食事の目的は、必要なカロリーを補うという事があります。
例えば、高カロリー輸液という点滴だけでも、必要な営巣成分は何も食べなくても補う事は可能です。
ただし、非生理的ということになります。
この点滴での栄養における問題点は、リッキーガット症候群があります。
リッキーガットとは、科学的に証明されたものではないようですが、考え方としては妥当と思わせるものになります。
高カロリー輸液の方を例に挙げますと、すなわち腸管を使用しないということになります。
腸管を使用しなければ、筋肉と同様に腸管粘膜はその機能が衰えてしまいます。
皮膚がカサカサになった状況をイメージしていただくとわかり易いです。
冬場の手は、カサついてあかぎれになる、それが腸管粘膜起こっていると想像していただけるとわかり易いです。
つまり、容易に細菌や有害物質が体の中に侵入してしまうということになります。
これが、リッキーガットのわかり易いたとえです。
バクテリアルトランスロケーション
リッキーガットの概念は、医療業界ではバクテリアルトランスロケーション(BT)と呼ばれています。
腸管粘膜の萎縮に伴い、細菌が侵入していまうといった状況の事です。
BT自体も、証明されている訳ではなさそうですが、集中治療室ではよくわからない炎症に対して、BTの可能性が考慮されます。
BTの予防は、なっといっても腸管を使うことです。
自分で食事を食べられない重症患者さんは、経腸栄養という営巣成分を管を通して胃の中に強制的に送り込みます。
その栄養剤が腸管を通る事で、栄養にもなりますし、腸管粘膜の維持にも役立つという訳です。
リッキーガットの予防
リッキーガットの問題点は、絶食中の重症患者さんではなく、健常者に起こるということです。
健常者は、普通に経口摂取をしています。
そのため、経著栄養の論理である、腸管を使えばよいという単純な事ではなさそうです。
つまりは、細菌を鍛えよという事に近いといえるのではないでしょうか。
腸によいとされているものの代表は、発酵食品です。
具体的には、ヨーグルト・納豆・キムチなどです。
これらの発酵食品と共に、不足している場合はサプリメントで善玉菌とされる腸内細菌を補う事が有用とされています。
他人の腸内細菌を移植するとどうなるのか
これは、重症の腸炎を対象に、糞便移植の有用性が問われていた頃の話です。
現代でも、完全否定されたというよりは、良いとする根拠の方が多いのかもしれません。
重症腸炎患者さんに、糞便を移植すると腸炎は良くなりますが、体型まで似るとされています。
つまりは、細菌は自分の分身とも言える程、重要な役割を担っている事が予想されます。
副腎疲労
結局は、この本を読んでも副腎疲労に関しては、断定的なものは得られませんでした。
当然ですが、医療では副腎不全というものがあります。
これは、コルチゾールと呼ばれる闘争ホルモンの代表です。
このコルチゾールが出ることで、人は緊張して戦うための準備を整えます。
つまり、寝ている場合ではありませんので、覚醒する必要があります。
副腎疲労は、この逆でコルチゾールが適切に分泌されないことで、おこる副腎不全の前段階のようなものだと思います。
副腎不全になると、食事も食べないですし、微熱が続いたり、血圧が低下したり、血糖値が下がったり、電解質のバランスが崩れたり、様々な影響がでます。
副腎疲労の場合は、このコルチゾールを常に放出している状態が続くために、簡単に言うと枯渇した状態と言えます。
医療業界では、これを相対的副腎不全やCIRCIと呼ばれています。
コルチゾールが出ているけど、適切に分泌されない状態の事です。
この副腎疲労への対策は繰り返しですが、良質な睡眠と腸管を鍛える事になります。
まとめ
- ちゃんと寝る
- ちゃんと寝るには、ちゃんとした食生活が重要
- 食生活の改善は、腸管の改善に繋がり、腸管の改善は睡眠につながる
- このあたりは、クロストークしていると考えた方がわかりやすい