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【読書】世界で一番やさしい会議の教科書

12/01/2020

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終了の時間を決めておく

会議でも、学会での講演でもなんでもそうですが、時間を守るということは、社会人としての最低限のマナーであるように思います。
例えば、学術集会の場合に時間を超過してしまえば、次の人の時間が短くなります。
仮に、次の人の時間を規定された時間とった場合でも、次のセッションに影響を与えます。

そのため、初めての学会発表にも通じる事ですが、時間を守るということは最重要事項であると言っても過言ではありません。

会議の場合も、時間が決まっていることで集中力も増します。
そして、成果を提示しなければならない場合でも、その時間内でなんとか仕上げることを、参加者全員で共有することが可能です。

参加者が多くなればなるほど、時間泥棒としての罪はましていきます。
たとえば、10人参加の会議で10分延長の場合は、合計100分の時間の浪費になります。
100人だと、1000分になります。
膨大な時間です。
ちなみに一日は、1440分です。
以外に長いと感じるか、短いと感じるかは自分次第です。

この他人の時間をうまく使うことも重要です。
自分の時間は、1日1440分しか無いのであれば、他者に自分のしごとを行ってもらうことも有用です。
これも、会議の一つのあり方といえます。

音量に気をつける

プレゼンテーションにおける、最大のポイントです。
どんなによいプレゼンを行ったとしても、声が出ていなければ何も伝わりません。
伝わらないということは、情報の共有もできていませんので、会議としての在り方が問われる事態になります。

これも初めての学会発表に通じるところですが、少なくとも会議参加者全員に声が届くように発生することが大事です。

マイクがあれば、それほど問題にはならないと思います。
マイクがない場合は、ある程度声を張る必要がありますので、意図的に声を出す必要があります。

特に最近は、新型コロナウイルス(Covid-19)の影響で、マスクを外すことができませんので、余計声が通りにくくなります。

会議参加者のイメージ(情景)を極限まで一致させる

多能工と単能工の違いとも言えます。

例えば、巨大船の一部を作成しているとします。
巨大船ですので、数百メートルのうちのわずか2m程度のものを創っているとします。
その人は、わずか2m程度のものを作り続けているのでしょうか。
それとも、巨大船の一部を作り続けているのでしょうか。

答えは明白です。
巨大船を最初からイメージすることで、その人は巨大船を作り上げているのです。
この最終的に行き着く場所のイメージは極めて重要です。

これを、チームで行う場合は、チーム全体である程度の完成予想図が頭の中で共有できている必要があります。

例えば、医療業界での例をあげますと、「診断」というものになります。
酸素化が悪くなって、痰が増えて、熱が出て、呼吸数が早くなって、、というよりは、「肺炎で入院しました」という一言があるだけで、ある程度の道筋が決まってきます。

例えば、診断の根拠となれば、先に書いたように、呼吸数増加や痰の増加などになります。
診断がつけば、診断に応じた治療介入が必要ですので、治療介入についての検討を行うことになります。
つまり、肺炎という診断名と患者さんの大まかな背景がわかれば、ある程度は道筋が決まってきます。
そして、画像などすべてを確認し終えたら、退院までのプランが決まっています。

できる医師や看護師は、入院時点で退院サマリーがある程度完成しています。
そして、退院と同時に退院サマリーを提出できるのです。

文字にすることで、現在の状況をわかりやすくする

本も読みながら、前のページに戻ったりすることがあると思います。
会議も同じく、今何を話しているのかがわからなくなることがあります。
その様なときの羅針盤とも言えるのが、ホワイトボートなど何でも良いのですが、皆で共有できるものがあると便利です。

自動車でもカーナビに目的地を設定すると、あと何キロなどの表示が出ます。
それと似たようなもので、今自分たちはどこにいるのか、ということを共有しておく必要があります。
カーナビがない場合は、今目的地に向かっているのかすらもわかりませんし、目的地に向かう途中のどの辺なのかということもわかりません。

そのため、今の自分たちはどこにいるのかと言うのを、共有するためにホワイトボートなどの利用は良いものであると感じています。

会議をさらに分割し、それぞれのテーマにかける時間を事前に決めておく

会議は、よく脱線します。
結局、いろいろ話し合って、自分も色々話して満足、ということがとても多いです。
で、結局何がどのように決まったの?といった感じです。

会議の目的は、色々ありますが、目的の1つがPDCAです。
PDCAとは、Plan→Do→Check(Study)→Actです。

プランを立てて、実践して、振り返って、改善案を実践することの繰り返しです。
つまり、先に書いたように、自分たちはどこに向かっているのか、ということを共有できていれば、前回の会議に60分かかったのを、50分にするなどの簡単な事でもPDCAの一貫になりえます。

締め切り効果を利用する

朝方の人は、この締切効果を利用しているような気がしています。
夜の場合は、自分が寝る時間を削る事で、ある程度時間の調整が可能です。
しかし、朝の場合は時間が差し迫っていますので、計画的に時間を使うことが必要になります。

つまり、やらなければならないことをやり終えることができなかった場合、それは次の仕事にまで影響を与えることになります。
そのプレッシャーが自分の脳力をより研ぎ澄まし、本来の能力以上の能力を発揮できる事につながります。
その繰り返しで、本来の能力以上の能力が、自分の脳力になっていきます。

そして、先に書いたように時間を守るということは、遵守すべき事項ですので、集中こそが時間を守るという部分にも繋がってきます。

時間通り進まなかった場合は、何が悪かったのか内省する

これは、会議で最も多いものになります。
予定通り進まなかったけど、まあいいか、というような状況です。
会議という時間を捻出していますので、本来あってはならない事象のはずです。
けれども、会議と呼ばれるものの多くは、予定通り進まなかったとしても、そのままです。

内省は、非常に重要です。
次への成長の機会を奪うことに繋がるからです。
人は、失敗から多くのことを学びます。
これは、医療業界でも顕著です。

医療業界では、失敗はタブーといった風潮が未だにありますが、小さな失敗であれば内省し、その失敗をシステムとして失敗しないようにするためにはどうするのか。
そんなことを話し合い、具体的に実践可能なテーマが遡上に上がることも、1つの会議の在り方になります。

けれども、会議の場合は参加者の時間を奪っているだけですので、それほど重要事項であると認識されないままになっていまいがちです。
まずは、失敗を失敗と認識することが必要です。
失敗と認識しなければ、次への成長の機会はありません。

会議を仕切る人に、どいういう状態になれば会議が終了するのかを確認しておく

これは、司会者との情報共有であるとともに、司会者へのプレッシャーでもあります。
どういう状態になれば会議が終了できるのかを、全員が共有できていれば、会議の終了は明白です。
そして、司会者は会議の終了に向けてファシリテーションを行い、参加者は終了に近づいてきたということを認識しながら、会議を進めて行くことになります。

現時点の問題は何かという事にすべてを注ぐ

これは、参加者のイメージの共有の部分でも触れました。
問題は何かということです。

議論がずれてしまうと、そもそも何を話し合っているのかわからなくなります。
また、正しい会議の手順で進んでいたとしても、先を見据えて本当に正しい方向性に向かっているのかは常に確認する必要があります。

たとえば、Covid−19に対してレムデシビルという薬剤の効果を示す報告があったとします。
けれども、そのうちレムデシビルの効果は無いとする報告が沢山出てきたとします。
そのときに、Covid−19にはこのくらいしか治療法が無いから、行うべきだと主張するのか。
そして、会議の結論として今後Covid−19にはレムデシビルを使うということにするのか。

もしくは、レムデシビルを使う根拠は無いので、医療者の負担や治療費や副作用の懸念から使うことを選択しないという判断を下すことができるのか、といった議論と似ているような気がしています。

つまり、どこに向かっているのか、ということです。
盲目のまま治療介入を行って良いことはありまえん。
正しい知識をもって、その会議の問題点(在り方)を常に問い、ゴールを見据えた会議にしていく必要があります。

喋っていない人を総動員する

喋っていない人は、会議に参加する必要はありません。
そのため、会議とは本来全員が話すことを前提に策定されるべきかもしれません。
もっともこれは、会議の種類にもよりますが、報告会ではなく会議だとするのであれば、少なくとも全員が発言することは必要であると感じています。

例えば、国会ではある特定の方だけが喋って、最終的に可否を判断しています。
これは、多数決をとるためだけの参加になってしまっていますので、本来会議としては成立していないと思われても致し方ないような気がします。

ある特定の方だけが話す会議は、たいていの場、最初から結論が決まっています。
その結論に納得いかないと、半ば強引に会議を進める場合もあるでしょう。
本来会議の結論はある程度自分の中で決まっていたとしても、他人の意見を聞くことで新たな発見を見出すことができるかもしれません。

そして自分が持っている、事前の答えは実は完璧なものではありませんので、他人の意見と併せつつ強固なものにしていくことが必要になります。

会議に不要な人は呼ばない

建設的な意見であれば良いのですが、批判ばかりで重箱のすみをつつく様な発言ばかりする人がいます。
はっきり言って、議論になりません。
不毛な議論をしたところで、前に進むことが困難になります。

建設的とは、一つの家を作り上げる作業です。
たとえば、柱が少しずれていた場合は、そこがずれているから修正しよう。
という議論を繰り返すことで、強固な家が完成します。

そのため、受け手側も一概に批判的な意見として捉えるのではなく、客観的にその発言の趣旨を吟味することが必要です。
不毛な議論だからということで、反発したところで何の解決にもなりません。
ときには貴重な意見が混ざっていることもあります。

それでも、最終的に議論が進まない状態になるようであれば、次回からは会議に呼ばないようにすることも方法の一つです。
とはいえ、80対20の法則で知られる、パレートの法則ですが、多くの場合は新たな敵が必ず出てくるとされています。
その様な場合でも、常に対策を講じるしか無いような気がします。

まとめ

  • 会議には目的を持つこと
  • 目的は、会議の前や途中で共有する
  • 会議で決まったことは、ホワイトボートなどを用いて、全員で共有する
  • 会議は時間を決めて、時間内に終わるようにする
  • 時間内に終えるためには、途中のチェックポイントの様な中間目標を創ることも有用
  • 会議は総動員で行うものであり、喋っていない人がいるような会議はよくない
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  • この記事を書いた人

R-NURSE

関東地方の総合病院で働いている、臨床看護師です。救急系の集中治療室を経て、現在総合診療内科勤務です。診断とか研究とか、投資とか興味は色々です。

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