目次
結論
酸化マグネシウムは、比較的安全に使用できる下剤
下剤といっても、大腸内の水分量を増やすだけなので副作用が少ない
酸化マグネシウム
酸化マグネシウムは、子供でも使用できる容量を守れば安全に使用できる薬剤です。
個人的には、サプリメントみたいなものだと思っています。
酸化マグネシウムの下剤としての、主な作用は大腸内での水分量を増やすことです。
難吸収性塩類下剤と呼ばれています。
口から酸化マグネシウムを摂取しても、体の中には取り込まれにくく水分を保持するような作用があります。
マグネシウムは、不整脈との関係性や、血管拡張作用などももちます。
例えば、切迫早産の場合は日本ではマグネシウムの持続点滴が好んで使用されます。
これは、平滑筋弛緩作用があるためです。
平滑筋なので、血圧も下がれば気管支の抵抗も下がります。
妊婦の場合は、子宮も弛緩させる作用を持ちます。
気管支の抵抗では、一時期は喘息に対して使用されていましたが、近年は減少しました。
さらには、悪寒にも有効とされ、体温管理が必要なシチュエーションではよく使用されています。
とはいえ、臨床的な効果は比較的弱い印象です。
マグネシウムは細胞内で作用する
電解質の多くに言えることですが、細胞内で作用します。
一般的に採血で検査される、マグネシウムの値は細胞外の値を示しています。
そして、実際に作用するのはイオン化マグネシウムということになります。
マグネシウムの値は、高くても低くても弊害が出ます。
けれども、他の電解質に比べると比較的安全域に幅があると言えます。
補充して値が多少高くなったとしても、そんなに慌てて対処が必要な状態になることはありません。
ただし、いよいよ血性マグネシウム値が高値になると、心停止などに至る可能性もありますので重要な電解質の1つです。
酸化マグネシウムは便秘の代表薬
少なくとも日本においては、便秘の第一選択薬は酸化マグネシウムといえるほど沢山処方されています。
酸化マグネシウムは、先に書いたように安全に使用できる薬剤なので処方されます。
腎障害では相対的禁忌
注意すべきは腎障害のある方への投与です。
入院中の場合は採血でモニタリングできるのですが、自宅で慢性的に服用する場合は定期的な採血が必要になります。
例えば、透析をしているような方が毎日服用していると高マグネシウム血症になります。
一方普通の人では、マグネシウムを多少多く取りすぎた場合でも、尿中に排泄されます。
アルコール常用者はマグネシウム排泄が多い
尿中排泄が多い人は、アルコールを常用されている方にも多いです。
また、マグネシウムは睡眠との関連性も示されているようです。
そのため、お酒を飲む人で便秘がちの人は、割と服用しても良いんじゃないかと思っています(個人的意見です)。
サプリメントと考えるとそのくらい気軽に使える薬剤の1つですが、過剰摂取の場合は問題になりますので、そのへんだけ抑えておけば安全な薬剤です。
副作用は下痢
副作用は、当たり前ですが下痢です。
副作用というよりも、主作用なのですが。
便秘の時に使用されるもう一つの代表的な薬剤に、大腸刺激性下剤があります。
こちらは、大腸の動きを促進させて排便を促す薬剤です。
そのため、人によっては腸蠕動によりお腹が痛くなったりします。
一方酸化マグネシウムの場合は、腹痛などの副作用が少ないです。
他の便秘薬
近年は、上記のようなマグネシウム製剤や蠕動促進薬以外の機序で、排便を促す薬剤がいくつかあります。
毎日服用するには、コスト面がネックですが上記に記載した薬剤で効果がない場合は、試してみる価値はあります。
まとめ
酸化マグネシウムは、用法用量を守れば安全
腎障害方は、服用に注意が必要
薬局でも気軽に購入できるため、試して見る価値はある